私は、かつてPMDDという生理前にだけ「うつ」になる病気になり、それが悪化してうつ病になり、そして完治させた女である。
これらを克服した経験から、大概の自分の「心の問題」には対処できる自信があるが、それでも、
PMSのイライラの症状が生理前日などに一瞬顔を出すことがある。
▼PMDDについて詳しくはこちら

私がやっている生理前のイライラ(PMS)対策
私の今のPMSは軽微なもので、
仕事中や一人でいるときは症状はない。
どうやら、甘えられる(=不機嫌をぶつけられる)相手がいると、
私はイライラしだすのである。
いや、本来、イライラをぶつけても良い人間などいないのだが、
「イライラしてもこの人なら許してくれそう」な相手がいるとき。
ということで、
私の不機嫌の被害者は
もっぱら同居中のパートナーである彼である。
私の行った具体的なPMS対策
生理日をパートナーと共有
「私が今不機嫌なのは、生理前だからです」という事情を彼に伝えておいた方がいいような気がするので、
スケジュール共有アプリに、生理開始予定日に「月」マークを入れてみたことがあった。
すると、「(彼)もこの予定に参加しました」という通知が来た。
彼は一体何に参加するつもりなのだろう?笑
最近は面倒なのでアプリに予定は入れず、口頭で
「もうすぐです」
「今、調子悪い時期です」
と伝えるようにしている。
そうすることで、相手が「なんかよく知らんけど不機嫌やわ」とモヤモヤすることもなくなる。
むしろ場合によっては「おおよしよし」と労わってくれさえするので、
私の場合は、これを伝えることにはメリットしかなかった。
生理が始まったときも、私は初日に生理痛+冷えが来るので、
何のてらいもなく「生理1日目やからお腹痛い」「お腹冷える」と伝えるようにしている。
「白湯入れておくれ」と頼んだりもする。
我慢、よくない。
大事なことほど伝え合える間柄になろう。
そして、ちゃんと伝えているのに、「だから何?労わってほしいアピールですか?」「俺関係ないですけど?」みたいなクソみたいな態度を取ってくるような相手なら、本当にあなたの相手がそいつで良いのかちょっと考えた方が良い。
他の誰でもない、あなた自身の今と将来の幸せのために。
「男なんてそんなもん」と諦めなくていい。
世の中、良い男はいる。
生活習慣をPMS対策用に意識
生理の2週間から10日ほど前になると、
目に見えて「食欲が増してきたな」というのがわかる日が来る。
朝ごはんの量からして変わる。
平常時はトーストと目玉焼きとカフェオレぐらいで満足するが、
生理前の食欲旺盛期になると、トースト1.5枚分ぐらい食べたくなり、それだけでなくカップスープ、シリアル、ヨーグルト、果物、チョコ、お菓子…と、そこにあるものを色々食べたくなる。
その食欲で、「来たな、この時期が」と思う。
そうなったら私は対策を始める。
具体的には、
・あえて3食の食事をしっかりと多めにとる(下手に我慢すると反動で間食が増えるため)。
例えば茶碗にご飯を多めによそうなど。
・ただし食事の内容は、野菜・大豆製品をふんだんに取り入れる
・間食はチョコやクッキーなど油脂が含まれたものは控えめに、お煎餅や果物、ヨーグルトなどを食べる
・スキンケアをしっかりする(オルビスのニキビ対策特化の「クリアフル」シリーズ)
・ゆとりを持って仕事する。詰め込まない。
・やらなければいけない雑務は先に済ませておく
など。
これらを意識する月としない月では、目に見えてPMSの度合いが違う。
(バッチリ対策したぜ!という気持ちの問題、ちまりプラシーボ効果かもしれないが、それでも効果は実際ある。)
今月は、
豆腐チャンプルーや揚げ出し豆腐、野菜煮込みなど
我が家の食事担当(彼:専業主夫)が偶然にも「PMSに良い」食材を取り入れてくれた。
だから症状が軽く済んだ。
間食もあられや煎餅ばかりだったので、肌荒れもない。
また、請求書の支払いなど、「やらなくちゃいけないのにやっていないこと」があると、憂うつさが増し増しになる。
だから、雑務は生理前まで、つまり元気な時に済ませておくに限る。
そうやってある程度改善させることはできる。
しかし、100%にはならない。
ホルモンバランスの影響で、生理前にネガティブになることもある
できる範囲で対策しても、生理前にはどうしても、わずかにでも情緒のブレが起きてしまうこともある。
そりゃ、ホルモンバランスが変わるのだから、致し方ない部分もある。
生理前に心がしくしくと痛む月があったりもする。
何か胸が痛いけれど、理由が分からない。思い悩む事などないはずなのに。
幸せに飽きて、心が悲しみたがっている気がする。
楽しいことに飽きて、心が沈みたがっている気がする。
綺麗に洗濯をして、身体を洗って、布団を畳むことが億劫で、
汚くなりたいと思っている自分がいる。
張り詰めているか、ぐったりしているか
そのどっちかしかないみたいな。
交感神経と副交感神経。
どっちかがやりすぎると片方もやりすぎる。
……そんな危うい状態のまま放っておくと、PMDD(生理前うつ)に悪化するリスクがある。
ではこういったPMSの症状を根本的に解決するにはどうすればいいか?
PMSは(PMDDも)認知療法で根本的に解決!

生理前の精神的な不調(イライラやネガティブ)を本気で、根本的に解決したいなら、
私なら「認知療法」をするという一択です。
ニンチリョウホウ?何それ難しそう…
認知療法とは、うつに有効な心理療法です。
怪しげなまやかしじゃなく、論理的に「思考の偏り」を正していくものです。
うつだけでなく、不安や怒りなど、色んな負の感情を整理して解消するのに非常に役に立ちます。
例を挙げてやり方を簡単にご説明します。
(※ここで説明するのは簡略化バージョンです。
正しい手順はこの本に沿ってやってみましょう!私のバイブル:
「うつと不安の認知療法練習帳 [増補改訂版]」(D・グリーンバーガー 著/C・A・パデスキー 著/大野 裕 監訳/岩坂 彰 訳)
※Amazonの商品ページに飛びます)
こういう場面を想定します。
『私=彼女が仕事の話(主に愚痴)を彼に話しているときに、
彼はゲームをしながら「ふーん」と生返事した。私はそんな彼の態度にイライラした』
というシチュエーション。
まずは紙とペンを用意します。
①自分が感じた負の感情を書き出す。
・怒り
・悲しみ
といった感じに。
②①のような感情を感じたのは、どういう事実があったからでしょうか?
①のように感じた理由となる出来事を書きます。
×「彼が私の話を真面目にきいてくれないから」
→ と書くのは間違いです。
「真面目に聞いていない」というのは女性の主観です。
事実としては「彼がゲームの画面から目を離さずに”ふーん”と言った」ということだけです。
だから正解の書き方は、
○「話しかけた時に、彼がゲームの画面から目を離さずにふーんと言った」
です。
③ ②の事実を受けて、なぜ①のような感情を抱いたのでしょう?
どのように考えたから①のような気持ちになったのか?を考えて書きます。
・彼が私の話を真面目に聞いていないと思ったから
・私のことをないがしろにされたと思ったから
・彼にとっては私の気持ちなんかどうでもいいんだ、と思ったから
複数書き出して、その中で一番①の感情を強く引き起こす考えを選びます。
要は、一番嫌な考えを選ぶのです。
ここでは3番目の
・彼にとっては私の気持ちなんかどうでもいいんだ、と思ったから
にしたいと思います。
④ ③を否定する事実を書き出す。
③で選んだ「彼にとっては彼女の気持ちなんかどうでもいい」という考えを否定する事実を書きます。
なかなか最初は思いつかないと思いますが、無理やり書いていきましょう。
・彼は私を喜ばせるため日常的にデートを提案したり料理を作ってくれたりする。
・彼は毎日1回は私を抱きしめてくれる。
・彼は私が「嬉しい」「幸せ」と言うと笑顔になる。
・彼は私が泣いているときは頭を撫でてくれる。
・そういえば今日家に帰った時に「疲れた!」と言った時に「お疲れ様」と返してくれた。
・さっきもココアを淹れてくれた。
どんな些細なことでも書き出してみましょう。
多ければ多いほど良いです。
こう見ると、彼はとても彼女の気持ちを大事にしていることが分かります。
それでも彼女はダメ押しで、さらなる事実を得るため、
「ねえ、さっき生返事したから、私の気持ちはどうでもいいと思っているように見えたけど、どうなの?」
と彼に聞いてみました。
この時の言い方の注意点は、
「私はこう感じたんだけど」と、主観視点で話すこと。
「そういう反応するってことは、普通に考えてこういうことだよね」のような、「客観的に見てどうこう」みたいな言い方をしないこと。
するとどうでしょう。彼は、
「どうでもいいと思ったんじゃなくて、ゲームに夢中なせいであまり話に集中できていなかった。ごめん。大事な話だったの?」
と言いました。
ということで、これで分かった事実は
・彼は私のことをどうでもいいと思ったわけではなく、ゲームに夢中で、よく聞いていなかった
・彼は私の「話をちゃんと聞いてほしい」という思いを理解していなかった
ということです。
※もしここで、「私よりゲームが大事なの!?キーッ!!」となったら、
またその時の感情について①から手順を踏んでみてください。
⑤ ④までのメモを根拠に、バランスの取れた考え方を身に着ける
④を書いた時点で、だいぶ感情は収まっているかと思います。
最後に、今後②のような出来事があった際にどのようなバランスの取れた考え方をすればいいかを書いてみます。
・話しかけるタイミングが悪かったが、彼は私のことを基本的には大切に思ってくれている。
・「真面目に話を聞いてほしい」という意図は、ちゃんと言わないと伝わらないようだ。(男は察してくれない!)
・ゲームの最中に話しかけるのは、彼の時間を邪魔してしまう。
・「いつも私の話を最優先で全力集中して聞いてくれ」と強いるのは自己中心的な考えだ。
といった感じになるでしょうか。
さらに彼女は、今後彼に仕事に関してグチりたいときの話しかけ方を改善するようにしました。
「ねえ、今話しかけていい?」
ここで「うん、いいよ」と言われたら話す。
「ちょっと待って」と言われたら、後回しにする。
「仕事の愚痴を言うだけだから、聞いてくれるだけでいいんだけど」
話す内容と、どういうスタンスで聞いてもらいたいかをまず伝える。
女性同士で話すときの暗黙の了解は、男性には伝わらないのだ。
その後、彼と彼女の間には
「彼が話をちゃんと聞かないせいで彼女が怒る」という問題はなくなったそうです。

イライラする自分を否定せずに許容する
それでもどうしても、とくに生理前日などは、
彼の言い方に「棘」を感じてしまったり、
険のある話し方になってしまったり、
口数が少なくなったりする。
涙もろくなったりもして
明らかに「あーホルモンバランス乱れてるなぁ」と実感するときもある。
そんなときは
「自己否定」しないように
「自己嫌悪」に陥らないように気をつける。
「これも私」と受け入れる。
最近だと、
彼に対して口数が少なくなる自分に対して
「あー今私は彼に甘えてるんだなー」
「彼に心を許してるからこそ甘えてしまうんだなー」
と他人事のように捉えて、
「かわいいやつめ」と自分に思うようにしている。
実際、
二人の間に大きな問題がなければ
多少のことは「かわいい不機嫌」で済むのである。
そうして、体に良い甘い物(果物とか、はちみつヨーグルトとかココアとか)を摂取して、用事をサボって、自分を甘やかす。
「今は自分を甘やかして良い時」と許容する。
自分を責めてもストレスが増えるだけ。
自分に優しく優しくなろう。
モヤモヤは問題に向き合うチャンスでもある
もし、彼女と彼の間に実は問題が潜んでいる、という場合は、
それがこの時期に重大な問題として表面化してしまう。
ある意味、その重大な問題について話し合うチャンスとも取れる。
普段であれば、
「まあ、生活に支障は無いし、お互い踏み込むのも面倒くさいし…」
と何となく見過ごしてきた、モヤモヤの種が、このネガティブ期に瞬く間に大樹に成長してしまったりする。
そんなときは、ちゃんと向き合って話し合うチャンスだ。
「ねえ、このことについてすごく私は問題だと思ってるんだけど、どう思う?」
というように。
私もこのネガティブ期をチャンスと思って、
真面目な話題(お金とか、お金とか、お金とか)を彼と話し合ったりしてきた。
揺らぐ自分も愛すべき自分自身
考えてみれば、
子宮の中で盛り上がった血の塊(赤ちゃんのクッション)を
ベリベリベリベリ剥がし落とす準備を体内でしているのだから、
心身に大きな影響がないはずがない。
明と暗をゆらゆら揺らぐ、その両方が私を作っている。
そして私は、「暗」の方の自分も好きである。
私の中に「楽観的な自分」しかいなかったら、
今のようには成長しなかっただろう。
例えば彼との間に横たわっていた問題をずっと先延ばしにして、
胸の底に疼かせたまま、
いつか関係は壊れていったかもしれない。
「暗」の方に揺らいだ自分がいたからこそ、あのとき
「これこれこういう理由で、今このままあなたと付き合っていいのか分からなくなってるんです」
などとぶっちゃけたりすることもできたのだから。
PMSのイライラ期が来ても、
「こんなの私じゃない」とは思わないことだ。
「これも私なのだ」と受け入れてみる。
どっちが本当の私? ……どっちも私。
誰かに八つ当たりしてしまうときは、
八つ当たりして甘えられる相手がいることをありがたく思おう。
そして、気ままな自分を「かわいいやつめ」と受け入れてやろう。
波一つ立たない姿は、ただの一枚の美しい絵に過ぎない。
女はなぜか、そんな美しい絵になりたがる傾向がある。
しかし、私は絵ではなく、
女の体に生まれた人間なのだ。
揺らぎ。
それを自分自身が慈しむべきものとして認めてあげられると、
不思議と、周りの世界は私に優しくなる。
あなたがあなたを扱うように、世界もあなたを扱うようになるのだ。
▼PMSで彼をしばいて自己嫌悪に陥り、それを解消した話。
