うつ病で眠れない夜に実践したおすすめの過ごし方【うつ抜け経験者より】

目次

夜眠れない、夜中に起きるなどの睡眠障害

眠れないときや、一度寝ても夜中に目が覚めてしまう、などの睡眠障害は、

治るときは治るし、

治らないときは治らない

 

そして、「うつの治療」をするとともに、安心して眠れるようになっていきます。

なぜかというと、

「将来への不安」や「明日が来ることへの抵抗感」など、

深層心理にある睡眠障害の原因を、「うつの治療」によって癒やすことができるからです。

筆者の経験

 私は、大学受験期から大学生の間、そしてうつ病で留年した二年間、

計6~7年間くらい、睡眠障害に悩まされ続けていました。

 

小・中・高 と朝方人間だったのが、大学に入ってからは、昼夜逆転することもざら。

うつ病が悪化して、夜眠れない日々が続きました。

 

しばらくうつ病はあまり良くならず、むしろ悪化の一途。

いつしか、夜に「死にたい」と思うようになりました。

そのうち、昼も夜もずっと「死にたい」と言う言葉がまとわりつくようになってしまいました。

・・・しかし。

「うつ」を治すと、それまで悩まされ続けていた睡眠障害が嘘のように治りました。

今では眠らないほうが難しいくらい、すこんと眠れます。

毎日22時半にはベッドに入り、すぐに寝てしまいます。

そして朝6時半までぐっすり。

睡眠時間は8時間。まさに理想的。

 


なぜそこまで回復したかというと、

うつの治療を通じて、不安や気分の落ち込みをうまく解消する術が身についたからです。


(また、会社勤めで内勤なので、毎日出退勤時間が決まっており、生活リズムが整ったというのもあります)




▼うつ病を治した方法はこのブログで全部書いているので、お時間があるときにどうぞ。


何にせよ、うつが治れば、夜も眠りやすくなります。



逆に、うつ病の間は、眠れなくともよいのです。そういう病気ですから。

焦らず、ゆっくり、気長に構えましょう。

眠れないのはなぜ?

人間、夜はネガティブになります。

なぜなのだろうと調べてみると、

ポジティブ思考ホルモン(幸せホルモン)「セロトニン」が、

夜は入眠ホルモン「メラトニン」に代わってしまい、セロトニンの量が減ってしまうからのようです。


「うつ」の時はそもそも、幸せホルモン「セロトニン」がうまく分泌できていないですから、

そのわずかな量のセロトニンすら減ってしまっては、もう底をついてしまい、

果てしなくネガティブになるわけです。

 

つまり、人間は夜はネガティブになるようにできているのだから、

そういうものだと諦めて、

一番の対策は「夜は意識を失っておく。つまり早く寝ることです。

・・・が、そんなに簡単にできたら苦労しません。

人間も機械みたいに自由に電源をオン/オフに出来たらいいんですけどね。

 

「うつ」のときに夜眠る気になれない理由として、

「明日を迎えること」を拒みたいという深層心理があります。

一度眠ってしまうと、一瞬で明日が来てしまう。

明日もまた、今日と同じ憂うつな日が来るだけ。

いや、もしかしたらもっと嫌なことがあるかも…という恐怖。


そして、何の生産性もなく、ただ毎日時間を浪費することへの罪悪感・不安・嫌悪感。

(本当は、うつ病のときに生産性を求めるなんて、インフルエンザ患者に仕事に行けというくらいナンセンスなんですけどね。)



「うつ」になると、「入浴すること」「部屋の電気をつけること」など、何でもないことをするのが怖くなったりします。

この裏側にも「未来へと時を進めたくない」という心理が潜んでいます。

「入浴」は、その日についた垢を洗い流すという、一日を終わらせることを象徴する行為とも言えます。

朝が来て家の電灯をつけることは、一日の始まりを迎えること。

そして、眠ることは、「今日を終わらせる」ことです。

 

眠りたいのに、眠れない。

なぜなら、「今日を終わらせることが怖い」から。

寝る前のスマホやネットがやめられないのは、

心のどこかで「明日が来てほしくない」と願っているから



逆に、「明日も幸せな一日が来る」と確信していれば、

安心して一日を終わらせられます。つまり眠れるのです。

 

しかし、 うつ病のときに「明日は絶対に幸せな一日になる!」なんて信じられるわけがありません。

では、眠れないときはどうすればいいのか?

眠れないときにすること

「うつ」で眠れない夜というのは、ひどいものです。

人生に何の望みも無いように感じられてしまいます。

この世には何の救いも無いと思えてしまいます。

寂しくて、悲しくて、苦しくて、消え入りたい。死んでしまいたい。

 

こんな時にどうするか?


その答えは、「全力で現実逃避する」です。



夜の思考というのは、考えてもどんどんネガティブになるだけで、意味がありません



夜中に「この先の人生について真剣に考えなきゃ」なんて思う必要は、一切ありません。

夜にそんなことを考えたって、どうせろくな答えが見つかりませんから。


大事な考え事は昼間にやりましょう(というか、うつ病が治ってからの方が良いです)




眠れないときに「とりあえず横になってじっとしているだけ」というのも、危険な場合があります。

じっとしてると、ネガティブな方向に勝手に考えが走っていきますよね。

そして涙が止まらなくなったりしますよね。私はしました。



その結果、どん底の気分に陥ってしまう可能性もあります。





もちろん、じっとして何もしないのが一番楽なら、それが一番です。

だけど、「休まなきゃ」と思ってじっとしていて、結果的にぐるぐるとマイナス思考を繰り返してしまうくらいなら、

せめて「思考しないようにする」つまり「何かで気を紛らわせて、現実逃避するのが一番なのです。


 だって、眠ろうと頑張って思ったって、どうせ眠れませんからね。



現実逃避の方法としては、「眠くなりやすい」ものを選ぶのがいいです。



とはいえ、現代人たるもの、スマホを見てしまうかと思います。

ええ、構いませんとも。

苦痛を紛らわせることができるなら、全然構いません。




別に「今夜も夜通しスマホをいじっていた…」となってしまっても、大して気にすることはありません。

「自分を責めること」がうつ病にとっては一番の毒。

大きな心で許しましょう。




※ただ、スマホやパソコンを見る場合は、「夜間モード」「おやすみモード」のような、ブルーライト控えめのディスプレイ設定にすることをおすすめします。

薬の力を軽視しない

それに加えて、睡眠導入剤や抗うつ薬を処方してもらい、きちんと服薬するのが良いです。

もちろん、薬のおかげで「魔法のように一瞬でぐっすり眠れるようになる」ということは少ないです。

そういう高すぎる期待はしないように。



だけど、薬を飲むと、「どん底の気分」に落ちる確率が少なくなるので、苦しみは軽くなります。




薬の効果は、自分ではなかなか気づきにくいことがあります。

いまいち気分が良くなった気もしない。

でも、だからって、効いていないわけではありません



自覚はなくても、

「薬を飲んでいたおかげで最悪の気分に陥る回数が減っていた」

とかいう、地味な効果が実はあったりするのです。



そして、それが長い目で見て、症状の改善に貢献するのです。




素人考えで「どうせ効かない」とはねつけては、良くなるものも良くなりません。

勝手に薬を飲むのをやめたりせず、

薬を、医療の力を信じて、一旦お医者さんの言う通りに飲んでみてください。 

実践!眠れない夜の過ごし方

ここで、実際に私の実践した「眠れぬ夜の過ごし方」を挙げていきます。

おすすめなのも、そうでない(いまいち効果がなかった)のも混ざっています。 

・抗うつ薬の服薬

高校時代に睡眠障害になって、心療科の先生に処方してもらったのが「フルボキサミン」という薬です。

のちに、副作用がより少ないとされる「レクサプロ(エスシタロプラム)」という薬に乗り換えました。

薬なくしては「うつ」や睡眠障害を脱するのはもっともっと遅くなっていたことでしょう。

 

▼上記の薬の効果についてはこちら


・空想する

私は現実逃避するために、よくモノクロの遊園地のような世界を空想し、

そこの住人たちと遊ぶ想像をしていました。


彼らは皆私のことを快く受け入れてくれ、好いてくれるのです。

空想は絶望を消してはくれませんが、今の心の苦痛をやわらげ、現実逃避するには役に立ちます。



自分に都合の良い妄想を思う存分にしてください。
 
頭の中は、誰も邪魔しませんから。

・動画やラジオの音声を聴く

他にも、耳にイヤホンを突っ込んで、自分が気に入っている動画やラジオの音声を流すのも、余計なことを考えずに済むのでおすすめです。

液晶(ブルーライト)を見てしまうと絶対に眠りにくくなるので、音声だけを聞くのもおすすめです。

次第に眠くなり、音声が煩わしくなって入眠できることもあります。



暗い曲や泣ける曲を聴くのはあまりおすすめしません。

「しょうもなさ過ぎて笑える」ような、無害なジャンルのものがちょうどいいです。



▼動画は死にたいほど苦しい夜にもおすすめ

 

・悲しみを芸術に昇華する

症状の緩和としては役に立たないかもしれませんが、いっそ「悲しみに徹底的に浸る」という道もあります。

そして、その時の強烈な感情を絵や音楽、小説などの「創作」「芸術作品」に昇華するのです。




私も「絶望」や「死への憧れ」を題材にした曲をいくつか作りました。

あの死ぬほど苦しい夜を過ごしたからこそできたものです。

「こんなすごい曲ができた……」という一種の自己肯定感にもつながります。




しかし、奨励しているわけではありません。

芸術の道はかえって人を病ませやすいですから・・・。

・体を動かす

身体が疲れたら眠りやすいかと思い、夜中に筋トレしたこともあります。

確かに何もしないよりは眠りやすいです。



しかし、そもそも筋トレする「気力」がなかなか湧かないという壁もあって、実際にした回数は少ないです。



▼うつが治ってからはちょっとだけ運動しています。療養中は無理しなくてもいいです。

・ぬいぐるみに癒される

死にたくて、泣けて泣けてどうしようもない時は、テディベアのぬいぐるみを抱いていました。

柔らかいぬいぐるみを抱いていると、オキシトシンというホルモンが分泌されて、少し気分が和らぎます

ぬいぐるみの柔和な優しい顔も救いになります。



私はあまり二次元に詳しくないので持っていませんが、

お気に入りの二次元キャラの抱き枕なんかもいいのかもしれません。 

・羊が1匹、羊が2匹…

羊を数えたことがあります。

結局すぐには眠れなくて、結構な数まで数えました。



個人的には、すぐに眠れるわけでもないし、あまり楽しくないんですね。

飽きてしまって、結局空想の世界に逆戻りしがちでした。



個人差はあると思いますので、一応試してみるのが良いかもしれません。

もし「眠りやすい!」となれば、ぜひ続けてみてください。

・ネットで「眠れないとき」と検索し、出てきた対処法を実践する

他のサイトに丸投げになってしまうのですが、

私もWeb上で検索して出て来たサイトを見ながら呼吸法など試してみたことがあります。



ただ、当時はあまり色々探したり実践したりする気力がなく、

「これ!」というものに出会えませんでした。



騙されたと思って(というのは失礼かもしれませんが)色々実践するのは面白そうです。


※今やベッドに入るなり一瞬で眠れるようになってしまったため、効果を試す機会がなくなってしまいました。

・認知療法を試す

あまりに絶望感がひどくて耐えられないときは、夜でも「認知療法」を行いました。

やり方については別の記事で書きたいと思います。

紙とペンがあればできるので、正しいやり方をすれば気分が楽になります。




細かい手順をすっ飛ばして、ものすごく簡単に言えば、

「絶望の種を否定する事実を書いていく」というものです。



たとえば、「もう自分の将来は、お先真っ暗だ」という思いに苦しんでいるのなら、

「自分はうつ病だからそう思ってしまうのだ。うつ病になる前はそんなことは考えなかった」
「今はどん底の気分だけど、日によってはマシな日もある」
「うつ病を治して幸せになった人もいる」(このブログの筆者のように)

というように、「もう自分の将来は、お先真っ暗だ」という思いを否定する事実を紙に書いていくのです。



この認知療法を正しく行うことができれば、心が少し(場合によってはものすごく)軽くなります。



▼認知療法を正しく行うならこれがおすすめ(私を救ったバイブル):

「うつと不安の認知療法練習帳 [増補改訂版]」(D・グリーンバーガー 著/C・A・パデスキー 著/大野 裕 監訳/岩坂 彰 訳)※Amazonの商品ページに飛びます 

眠れなくてもいいじゃない。と自分に許すのが大事

何をしても眠れぬ夜はやってきます。



「眠りたい」と思ってしまうのは仕方ない。

でも、「眠らなきゃ」というプレッシャーは投げ捨てましょう

眠れない自分も許しましょう。


インフルエンザになると熱が出ます。これはもう、そういう症状だからしょうがない。

うつになると眠りの質が落ちます。これももう、そういう症状だからしょうがない。



症状なんだから、眠れないのが普通なんだ、と開き直っていいんです。

「寝なきゃ」という「○○しなきゃ」という焦りは、心の負担となり、うつの治りを悪くします


眠れないときは眠れないし、

眠れるときが来れば眠れるようになります。

焦らなくてよいのです。


「眠れない夜」の経験は、考えようによっては大きな「糧」となります。



今考えると、このブログを始める構想を思いついたのも、夜に悶々と悩んでいた頃でした。

眠れないときに、「うつ」は治るんだよと私を元気づけてくれる、

優しく語りかけてくれるような場所がネット上にあったらいいのに、と。


同じように「うつ」に苦しむ人々にとって、「救いの場」となるようなサイトがあったらいいのに。



眠れなくても大丈夫。

まずは「眠ること」よりも、できることから始めればよいのです。

眠ることよりも、眠れない理由を潰していくことを先にしよう

眠れるようになること以前に、うつの治療をしましょう。


治療は、以下のように進めていくのがおすすめです。(順番は前後しても構いません。)


①まず服薬で脳の働きを正常に近づけ、症状を緩らげる。


②食事の改善で脳に栄養を行き渡らせる。


③頭が働くようになってきたら、認知療法や、このブログで紹介している考え方を実践する。



④気力が出てきたら、外出などを積極的に行ってみる。
 そのうち、生活リズムが次第に整っていきます。


⑤自分の内面の問題と向き合い、不安や憂鬱の正体を潰していく。


こういったことを時間をかけておこなっていくと、いつのまにか安らかに「眠れる」ようになります。



ゆっくり、焦らず。

「できるようにならなきゃ」なんて決して思わなくって良い。



少しずつやっていけば、いつのまにか眠れるようになっています。

夜は必ず明ける

どんなに長い眠れない夜も、数時間経てば、必ず明けます。

どれだけ苦しくても、夜は「必ず明ける」のです。

数時間耐えれば、朝日が射します。


朝になれば、眠っていない体と心は疲れ切っていることでしょう。

朝になってようやく、眠れるかもしれません。



そんなときは、仕事も学校も休んで、ゆっくり休みましょう。

休学、もしくは休職して、休める環境を作りましょう。




昼夜逆転したって問題ありません。

何より「罪悪感」を持たないようにしてください。



「うつ」という夜も必ず明けます。

夜の闇が深ければ深いほど、明けたときの喜びも強いです。




▼うつ病の苦しみの対処法、色々書いています。

このブログの運営者

生きづらさを解消し、幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、自分の考え方を変えて完治させた経験があります。

MBTI診断でいう典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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