抗うつ薬を飲みたくない人へ。薬は飲むべき?飲まずに治すべき?

「うつ」になっても、薬には頼りたくない。

という気持ち。

分かります。

(そもそも、「うつ」になると「治したい」という気すらなくなります。)

 

「うつ」を治すのに薬は絶対に必要でしょうか?

答えは、「うつの程度による」が、「飲んだほうが治しやすい」です。

 

目次

うつを治すには、薬を飲んで心の休養を取るのが一番。

うつの治療に一番必要なのは、「心の休養」です。

そしてその次が「薬」。

 

風邪と同じです。

薬を飲んでも、暴れ回っていては治らない。

まずは安静、次に薬。

 

でも、「うつ」の場合は

 

ごく軽い風邪なら薬なしで「寝れば治る」こともあります。

逆に、休まずとも「薬を飲んだら治った」ということもあります。

うつも同じで、容態によってどっちがいいのか、それとも両方必要なのかが違ってきます。

 

軽度の「うつ」であれば、薬なしで十分に「心の休養」を取るだけでも治る場合はあると思います。

でも、軽度のうつは放っておかれがちです。

「最近、毎朝体が重くて起きにくいな…」と思ったところで、いきなり「休職(休学)します!」とか「転職します!」なんて決断はしにくいものです。

そうして何の対処もしなければ、こじらせて悪化していきます。

 

でも、とりあえずその時に休んで回復したとしても、再発する可能性があります。

「軽いうつ」といえ、軽く見るのは危ないのです。

絶対に再発させないためには、

お医者さんの処方に従って薬を飲み続けること、そして「うつになりにくい思考の習慣」を維持すること、などが必要になります。

つまり、「うつ」の芽を徹底的に潰すなら、

「休みさえすれば良い」

「薬さえ飲めば良い」

というのでもなく、色んな方面から対処していくのが重要なのです。

 

では、中度〜重度のうつはというと、

薬の力を借りたほうが、それだけ早く回復できる可能性が高まります。

が、「薬だけ」で根治するのは難しい。

「心を休ませる」「心の休ませ方を習得する」ことが絶対に必要になります。

 

「うつ」とは、脳の機能の低下です。

あなたは、臓器の機能を自力でコントロールできますか?

「うつ」が進行していくと、脳のはたらきがどんどん鈍っていきます。

 

薬は、そんな脳をうまく働くように助けてくれます。

脳がうまく動いてくれないと、「治そう」とか、「治すためにこうしよう」と考える気力も湧きません。

つまり、薬なしでは「治療のスタートライン」に立つことすら難しいのことが多いのです。

だから、「薬」と「心の休養」を組み合わせるのが回復への一番の近道です。

 

どの薬を飲めばいいかについては、

まずは専門のお医者さんに診てもらうこと。

お医者さんは、素人の私たちには見えないことを診てくれます。

薬を飲んだほうがいいか?

飲むなら何を、どれくらい飲むのがいいのか?

飲んだらどうなるのか?

それもすべて、プロに聞くのが一番。

 

ところが、無気力状態の「うつ」の人が病院まで行くには、すごい労力を要します。

これは「うつ」の治療にとって、とても大きな壁です。

 

やっぱり薬は飲みたくないという人へ

「簡単に抗うつ薬を飲みたくない」という気持ちが私にもあります。

私の場合は、

「心の問題なのだから、自力で何とか対処したい」と

いう妙なプライドが邪魔するのです。

 

薬を飲みたくない理由は人それぞれ。

副作用がこわい。

心の問題を薬なんかでどうこうできるわけがない。

自分が「うつ」であることを認めたくない。

飲んだことがあるが効かなかった。

などなど。

 

「うつ」に限らず、風邪をひいても「薬を飲まない」主義の人っていますね。

特に、「薬なしで治す」主義の人。

暖かくして栄養をとってひたすら寝て治す!と。

 

こういう考え方って、実はすごく賢いと思います。

というのも、薬以外のあらゆる手段で「治す」ためのアプローチをしているからです。

安静にする。

部屋を快適な気温にする。

消化が良くて栄養価の高いものを摂取する。

 

薬だけ飲んで無茶する人よりよっぽど体を労っています。

 

「うつ」の場合も「薬以外の対処法」が色々ありますが、やればやるほど効果的です。

義務感・「べき論」を捨てる。

認知療法。

バランスのいい食事。

生活リズムを整える。

ストレスフリーな環境に身を移す。

 

でも、「うつ」でぐったりしているときにこんなことを実践する気力はありません。

そこで「薬」の登場なのです。

薬で「治療を始めやすくする」のです。

つまり、

夜眠りやすくする。

頭を働きやすくする。

幸せホルモン「セロトニン」を増やし、憂鬱さを軽くする。

こういったことが薬の効果です。

そうして少し気分が軽くなって初めて「治したい」「治そう」という思いが湧いてきます。

 

「うつ」とは病気であり、「気の持ちよう」ではありません。

いくら頑張っても、自力で「気を取り直す」ことなど難しいと、いっそ諦めてください。

「よっしゃ、今日から脳内のセロトニン(幸せホルモン)の分泌を増やすぞ!」と念じたところで、増えません。

あなたが悪いのではない。

あなたは病気になっただけ。

 

そうはいっても、「自分の考え方のせいでうつになったんだから、考え方次第で治せるはず」

と思っているそこのあなた。

うつになる考え方とは、「成功する考え方」と表裏です。

高い理想を目指して高い山を登って、

「山頂に到達する」か、「途中で怪我や遭難をする」かどうかは、ほとんど「運」です。

あなたがうつになったのは、「状況と色んな偶然が重なった結果」です。

事故のようなものに過ぎません。

崖から落ちたら病院に行くように、あなたも病院へ行くべきなのです。

 

また、「抗うつ薬を飲んだことあるけど、効かなかったよ」という人へ。

これはお医者さんに診てもらわないことには何とも言えません。

本当に薬が合っていなかったのかもしれないし、

「多少」はましになっていたけど、気づかなかっただけかもしれません。

本当に症状が重いときは、「マイナス100」が「マイナス80」まで回復したところで、気づきにくいものです。

 

薬は重要ですが、「飲んだら完璧に治る」というものでもありません。

あくまで、「マイナス」を「正常」な状態まで引き上げてくれるものです。

「治らない」からといって薬が全く効いていないのかどうか判断するのも、

他にもっといい薬がないか探してもらうのも、

お医者さんに客観的かつ専門的な判断をあおりましょう。

 

薬が合わなかった人、飲んで気持ち悪くなったりした人も、お医者さんに相談してみてください。

私は「フルボキサミン」を飲み始めたときは、何だか「おえっ」という感じがありました。

吐き気ではなく、喉奥に何か突っ込んだみたいな感じで、そんなに気にはならないのですが。

その「おえっ」は飲み始めて徐々になくなり、気分は穏やかに和らぎました。

体が薬に慣れれば平気ということもありえます。

(私が飲んだ抗うつ薬(SSRI)の体験談→レクサプロ・フルボキサミン(抗うつ薬)の効果と離脱症状の体験談

 

私は、「うつ」の症状が出なくなってからも1年以上は抗うつ薬を飲んでいました。

始まりがPMDDからだったというのもあり、やはり生理前は「若干」マイナス思考の気が出ることがあるのです。

ほんとに微妙な違いなのですが。

今ではもう薬を手放しています。

 

しかし、「あれ、今落ち込みやすい時期?」と、

ごく親しい人(私が「生理前うつ」だったことを知っている人)にはバレることがあります。

むしろ、言われて初めて「そういえばそんな時期だった」と気づくこともあります。

 

まだまだ「うつの芽」を出さないための戦いは続きそうです。

 

女なので、この先も妊娠や出産、更年期など、ホルモンバランスが崩れる時期がやってくるでしょう。

そのときにまた「うつ」になっても何もおかしくありません。

だから、抗うつ薬はいつでも手に取れる場所にあります。

 

手をかければかけるほど、向き合えば向き合うほど、

「自分の心」が愛おしくなってくる。

 

その「心」が痛みだしたときは、

抗うつ薬の力を借りて、そっと苦しみを和らげてあげたいと思っています。

 

このブログの運営者

生きづらさの解消方法・幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、考え方を変えることで完治させた経験あり。

典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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