【うつになった体験談】私が感じた気分・症状をまとめてみました

「うつ」になったことがない人にとって、

「うつになったらどんな感じなのか?」は想像し難しいものです。

 

だから今回は、

「うつの苦しみってこんな感じだよ」ということを書いていきます。

 

とはいえ、同じ「うつ」でも症状は人それぞれ。

だからここでは、私の体験で感じたことを中心に書いていこうと思います。

 

常にこれら全部の症状があったわけではありません。

比較的上の方に書いた項目は初期の症状で、

下に書いた項目ほど悪化した頃の重症です。

 

※念を押しますが、症状には個人差があります。

 

目次

・体が鉛のように重い(特に朝)

朝目覚めたときに、

全身の筋肉が「鉛(なまり)」になったように感じます。

ずーーーん。…という重たさ。

「何これ……」という感じ。

そのまま布団の下へどんどん沈んでいってしまいそう。

 

こんなに重いものを起こすなんて重労働です。

とても起き上がれません。

 

重いし、気力が全く湧かないのです。

 

まさに「鉛」という感じなのえ、

私はそういう日は「鉛の時期がやってきた」といつも日記に書いていました。

(最初はPMDDという生理前だけうつになる症状だったので、定期的に鉛の時期がやってくるのでした)

 

日中も体は重いのですが、一番ひどいのは朝起きるときです。

 

・無気力

「元気がない」とはよく言いますが、

「うつ」になったときの「元気のなさ」は異常です。

「元気」なんて、ほぼゼロになります。

 

ア○パンマンが深海に沈んだような状態を想像してください。

 

放心状態に見えますが、心の中では不安や悲しみなどで渦巻いています。

 

力が出ないので、「立ち上がる」ためにはなけなしの力を振り絞ります。

トイレに立つ気力もありません。

極限まで我慢してからようやく、地を這うようにして行きます。

顔を洗ったり、着替えたり、掃除したりする力も出ないので、できません。

 

ただ、昼間や夕方など、少し元気が回復する時間帯があります。

そういうときは、

ネットサーフィンをしたり漫画を読んだり、

頭や体を使わないで済むことなら、多少できることがあります。

 

・「何かをする」のが怖い

例えば、ゴミ出し、顔を洗う、テレビのニュースを見る、本を読むなど、

普段なら何でもないことをするのがたまらなく「怖くなる」

 

意味も分からず怖くて怖くて、

「嫌だ嫌だ嫌だ、やりたくない」と思ってしまう。

 

なぜかわかりません。

多分、「現実」を直視するのが怖くなるからだと思います。

 

自分は世間に取り残されている。

世間から非難されている。

 

 

特に私は、顔を洗ったりお風呂に入ったり、

「一日の始まりや終わり」にする儀式(と言ったら大げさですが)が怖くなりました。

 

1日を始めるのも終わらせるのも怖いんです。

時が進むのが怖くなるのです。

「今日も何もせず一日を終えてしまった」と思ってしまうからでしょうか。

 

自ら「時の進み」を感じさせる行為はやりたくなくなります。

 

・義務感に常に急き立てられている

じっとしていても、「うつ」のときの「心の中」は大忙しです。

「これをしなければならないのに」

「こうでないといけないのに」

「そんなこともできない奴はクズだ!」

という声に、四六時中責め立てられ続けています。

 

「朝、起きなきゃいけないのに」

「勉強しなきゃいけないのに」

「出かけなきゃいけないのに」

「家族の役に立たなければいけないのに」

「”普通”の生活をしなきゃいけないのに」

 

でも、いくら急き立てられても、やるのはたまらなく怖いし、力も出ない。

鉛のように重く、濡れたパンのようにふにゃふにゃな体は動きません。

 

そうして「やらなきゃ」「できない」という負のスパイラルにどんどん苦しんでいきます。

 

・「私はダメ人間だ」という声が頭の中で鳴り響く

上に書いた「こうでないといけないのに」の声の通りに実行できないせいで、

「それができない自分はクズだ」

「人間失格だ」

と、自分を責めます。

 

症状が重いときは、まるで呪いのように、

「お前は駄目だ、お前は駄目だ、お前は駄目だ駄目だ駄目だ」

「お前なんか生きる価値がない。死ね死ね死ね死ね」

「クズ死ねクズ死ねクズ死ね」

などと罵倒する声が頭の中に響き渡ります。

 

自己虐待です。

そりゃ死にたくなります。

 

・肌の表面がピリピリ、チクチクと痛む

人々に非難されているような、白い目で見られてるような、

刺すような視線が突き刺さる感じ。

 

家族や友人、その他大勢から「お前なんて生きる価値ないよ」という目で見られている感じ。

 

そんな「幻」が気になって、肌がピリピリ、チクチクと痛みます。

千本の針を全身の肌にこすりつけられているみたいな、結構激しい痛み。

起きている間はそれがずっと続きます。

 

もう、意識を失っていたい。

ずっと。一生。

 

死にたい。そんなことをうっすらと思います。

 

・息苦しい

肺を縄でぐるぐる巻きにされてる感じ。

のどには石を詰められているみたい。

そんな圧迫感で息が苦しくなります。

 

あまりに苦しいときは、

「もう呼吸するのやめていいですか……」

と思ってしまいます。

 

息をしないで済んだらどんなにか楽だろう、って。

 

・友人や家族からの連絡が怖い

LINEが来たりすると、

「怒られる!」と反射的に思ってしまう。

ひとたび携帯の画面を開けば、家族や友人からの私への罵詈雑言が溢れ出してくるに違いない、と。

「返信せぇやアホ!」「この馬鹿娘!」「親不孝!」って。

それがもう怖くて怖くて。

 

だから、引きこもってからはスマホの電源を切っていました。

あの「見えない怒り」にひたすら怯えながら過ごす夜は、最悪です。

二度と味わいたくないです。

 

(実際には親からは「やっほ~」みたいなほんわかした文面の暑中見舞いが届いていたので、

現実とうつ病の妄想がどれだけ乖離しているかが分かります)

 

・親しい人ほど会いたくなくなる

知ってる人に会うのが怖くやる。

仲のいい友達ほど会いたくなくなる。

 

親しい間柄ほど、遠慮なく言い合うことってあるじゃないですか。

だから、

「あんた、そんなんじゃ駄目だよ。そのままじゃ生きてる価値ないよ」と言われるんじゃないかと思って、怖くて。

 

 

・将来への諦め、絶望感

自分には社会でやっていける能力がない。

そう思って、経済的に自立する望みをうっすらと失っています。

 

ただ、うつの初期はそこまで強い絶望感は自覚しません。

悪化していくと徐々に望みを失っていきます。

 

こんなクズ、どこからどう見ても社会不適合者だ。って。

 

・何でも「自分のせいだ」と考えてしまう

例えば、誰かがどこかの部屋のドアをバン!と勢いよく閉めたとします。

すると、うつの人は

「あの人は私に対して怒ってるんだ…!」

と反射的に思います。

 

このように、自分と何の関係もないことでも「自分のせいだ」とネガティブにとらえてしまいます。

そうやって小さな刺激で自分を責め続けているので、心はいつもへとへとです。

 

・ネガティブに偏った思考

人生良いことも悪いこともありますが、

うつの人にとっては人生は「悪いことばかり」です。

というのも、悪い思い出ばかり思い出してしまうからです。

良い思い出もあるのに、心の奥底に隠れてしまい、出てきません。

 

世の中に対しても同じように「悪い側面」ばかり見てしまいます。

凄惨な事件のニュースが報道されれば、もう大ダメージ。

「こんな最悪な世界、生きていたくない」となってしまいます。

 

・眠れない

寝付きが悪くなる。

夜が怖くなります。

 

早い時間に布団に入っても値つけない。

それどころか、悶々として嫌な考えばかり浮かぶ。

夜はネガティブさが増すのです。

 

だから、早い時間に布団に入ることが怖くなります。

早く布団に入るということは、「より長く」夜のネガティブタイムを味わわなければならないから。

 

だから、眠くなるまでは布団に入らずにネットを見たりして現実逃避しています。

眠れない→眠りたくない の負のスパイラルです。

 

・ぼうっとして、現実感がなくなる

「うつ」がやや悪くなると、

何となく目の前にフィルターがかかったような、透明にたゆたう水の壁のようなものを感じます。

 

うまく言えませんが、現実と自分が隔てられているように感じるのです。

ぼやぼや〜っとして、目の前のことがうまく認識しづらくなります。

脳が認識を拒んでいる感じ。

脳の神経伝達が鈍っている証でしょうね。

 

・消えたい、死にたい

うつが悪化すると、生きていることが苦痛になってきます。

最初は「すーっとこの世から消えてしまいたい」ぐらいだったのが、

「死にたい」とか「死ななければ」と思うようになります。

 

死ぬ手段をぼんやりと考え始めます。

危険信号です。

 

・胸が張り裂けそうな痛み

瞬間的に胸に激痛が走ることがあります。

 

どういうときかというと、

誰かから何か言われたり、何らかのニュースを聞いたりするなど

何かしらの「情報」という刺激を受けたときです。

 

あくまで一時的に起こるものです。

しかし、一番重大な症状でもあります。

 

「それ」が来ると、

本当に「胸が張り裂ける」ような尋常でない痛みが胸を襲います。

 

「死んだほうがマシ」と、衝動的に自殺してもおかしくない痛みです。

人が自殺する瞬間というのは、この痛みに襲われた時が多いんじゃないかと、私は思っています。

 

私も何度か経験しました。

その都度、頭に包丁が思い浮かんで身悶えしました。

どうかこの苦しみから逃れさせてくれと。

死なせてくれと。

 

あの時リビングに家族の目がなかったら…と思うと恐ろしくなります。

 

 

・上記の症状をすべて「自分の甘え、怠惰のせい」と考える(「うつ」だと思えない)

自分が「うつ」であると認識できればまだ良い方で、

特にうつの初期は、「これも全部自分が怠けているだけなのだ」と自分を責めてしまいます。

 

うつは「朝起きにくい」「人に会う気がしない」など、

ただの「怠惰」に見えるような小さな症状から始まるので、

悪化するまで「うつになった」と気が付かないことが多いのです。

 

こうやって冷静に書いていくと尋常じゃないんですよね。

あの頃は気付かなかった。

 


 

私が感じていた症状は、大体こんな感じです。

イメージは湧いたでしょうか。

 

元気になってから振り返ると、

「うつ」のときの状態がいかに病的か分かります。

 

しかし「うつ」の本人は、苦しみが日常になってしまい、

この「異常性」に気付きづらいものです。

 

 

異常かどうかを診断するのはお医者さんの役目です。

 

おかしいかも?と思ったら病院へ。

おかしくないかも、と思っても病院へ。

 

 

※ついでに言っておくと、上記の症状を全部経験しても、治療をすれば完治します。(経験者より)

 


 

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生きづらさの解消方法・幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、考え方を変えることで完治させた経験あり。

典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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