ADHDの彼氏には世界の分断線が見えているようで寂しい

彼氏はADHDで、

むしろそれがきっかけで付き合ったというのもある。

 

彼は、絶えず私の脳を刺激してくれる。

私の思い込んできた「常識」や「普通」を粉砕して、再構築してくれる。

 

うつ病を通して、

「自分にとっての幸せ」とか

「人間が生きていることの価値」の答えを出してきたが、

それでも日本社会にいると、それらを忘れてしまいそうになる。

 

○○なやつは偉い、

○○なやつはクズだ、

そんな、かつての私のような考え方がこの世にははびこっている。

 

誰が真剣に考えて出した答えでもないのに。

 

彼は、私がそうやって逆戻りしそうになると、そのことに気づかせてくれる。

そのあまりにものポジティブさで。

 

目次

ADHDあるあるは、私には共感できないけれど、協力することは出来る

私には、彼らの感覚がわからない。

 

改札を出ると、私は彼の手から切符を取り上げる。

ADHDの人の世界では、「切符」と書いて「なくすもの」と読むからだ。

 

彼の家には壁かけ時計がない。

時間を知るには、卓上の小さいデジタル時計か、スマホを覗き込むしかない。

不便である。

時間感覚を無視しがちな性質の現れなのだろうか。

 

また、彼は寝付くのに時間がかかる。

ADHDの人は入眠を促すメラトニンの分泌が人より遅いという噂だ。

 

彼は、私のような根暗には考えられないほどポジティブだ。

陽の気に溢れている。

私のように「沈む時期」というのが見えない。

 

基本的には自信があって、

自分の人生はうまく行ってきたと思ってるし、これからもうまく行くと思っている。

(「自己効力感が高い」というらしい。)

 

彼は生命力が強い。

失業したり災害にあったり、トラブルがあるとむしろ生き生きとしてくる。

 

そのことに私は救われることが多い。

 

 

私には、外から見たそんな感じのことしか分からない。

しかし、「分からない」というのは世界を閉ざす最後の言葉だ。

 

ADHDの人にだけ見える、世界の分断線

「分かってよ!」

「分からねーよ!」

男女間の溝ともちょっと似てるけど、これでは溝は永遠に埋まらない。

 

ADHDの彼らから、時折

「彼ら以外の人々」に向けられた恨み、嘲り、諦め、憎悪 といった心情が漏れ出ることがある。

私はそれに触れるたびに火傷したように心が痛む。

 

あなたが嫌な思いをしてきたのは、単に運が悪かっただけ。

と、私は言い切ることができない。

 

私たちによるADHDへの無理解が、そこには必ずあったはずだからだ。

 

彼らにとって、この世は分断されている。

俺達と、それ以外。

 

 

私は「それ以外」の世界の人間だ。

ADHDであるあなたたちを迫害してきた側の。

 

私にはその分断線が見えないのだけれど。

 

 

彼らのような強く光る目を持った、明るくて楽しいこと好きな人々に

そこまで強い「負」の感情を植え付けるほど、

私達には理解が足りないということだ。

 

ADHDの人に伝えたいのは、小さな窓を開いておいてほしいということ

ならば私は、彼らが存在を祝福されるべき人々であることを伝えていきたいと思う。

 

もし子供ができて、その子がADHDの特性を受け継いでいたら、

私はそれを祝福せずにはいられないだろう。

 

 

彼らとて、生まれつき私達を嫌っているわけではない。

 

ただ、組織などという枠にとらわれない彼らは、

「学校」「社会」という日本人の通過儀礼で出る杭を打たれまくってズタズタにされていく。

 

「すっぱいぶどう」ではないけれど、

「俺を受け入れてくれないこの社会は、どこもここもクソみたいな所に違いない」

という認識に変わっていく。

 

彼らとて、本当は受け入れてもらいたかった。

自分のあり方を尊重してもらいたかっただけだ。

目の光の奥には、そんな純粋な願望がある。

 

 

こちらから歩み寄っても、彼らに拒絶されては永遠に平行線である。

彼らには、小さな窓だけでも開けておいてほしい。

 

ADHDの人たちへ、

どうか、私たちは元々浅はかで無知であることを知ってほしい。

私たちは想像力の欠けるどうしようもない馬鹿なのだ。

 

私があなたのありのままを受け入れるとき、

私のありのままの馬鹿さ加減を受け入れてほしい。

 

「俺はお前らのことは嫌いで軽蔑してるけど、お前らは俺のことを受け入れてくれよ。」

そういう要求を受け入れてくれるような心の広い人間は少ない。

 

私たちの中には、あなたたちを理解したい人もいるのだと知ってほしい。

それを知ってもらうには、私が発していくしかないのだ。

 

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このブログの運営者

生きづらさの解消方法・幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、考え方を変えることで完治させた経験あり。

典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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