うつ病になったらSNS・ネットをやめてプチ出家しよう

私が「うつ」になって実家に連れ戻されたとき、

一番最初にしたことは

「世俗を断つために髪を切る」ことだった。

 

 

尼さんになるイメージ。

さすがに坊主ではなく、ショートヘア程度のものだが、

伸びきっていたロングヘアをばっさりと切った。

 

 

 

うつになって引きこもってから一度も美容院に行っておらず、

お風呂にもろくに入っていなかったように思う。

 

切る前は貞子のような状態だったので、

切る必要があったというのもある。

 

 

しかし、一番の理由は

「世俗を離れる」という決意の表明だった。

 

 

目次

世間の出来事を見聞きすることはうつの悪化リスクを高める

「うつ」の時の「世俗」との関わりは、

苦痛のもとになる。

 

どれだけ贔屓目に見ても、

この世には人を嫌な気持ちにさせる出来事が溢れかえっている。

 

 

 

それでも、健常者の場合は

「そうは言っても、そう悪いことばかりでもない」

と思考バランスが取れる。

嫌なニュースも、良い意味でも悪い意味でも受け流せるのだ。

 

それどころか、あろうことか

「他人の不幸は蜜の味」とほくそ笑む余裕があることもある。

 

 

 

しかし、「うつ病者」は違う。

 

うつの人の物事の捉え方は、「超絶ネガティブ」に偏ってしまっている。

脳の神経伝達がうまくいっていないからだ。

 

 

だから、ちょっとの刺激から物事の悪い面(それも、あることないこと)ばかりが頭の中で膨らんでいく。

 

犯罪、事故、災害、

いつどんな悪いニュースを受けて、

ネガティブが爆発して

自殺への衝動に駆られるかもしれない。

 

 

しかも困ったことに、

「いとこの○○ちゃんが結婚するって」

などというおめでたい話でさえ、

うつ病者にとっては凶器となり得る。

 

 

「○○ちゃんの幸せを阻害しないように、邪魔者の私は死のう」とか

「私は一生○○ちゃんみたいに幸せにはなれない、絶望」とか、

 

とにかくうつ病になると、とんでもない論理の飛躍をして

自分を痛めつける方向に思考が向かってしまう。

 

これは、そういう病気だからしょうがないんです。

 

私も何度「吉報」のせいで

胸を掻きむしられる苦しみを味わったか。

刃物を握りしめてようやく落ち着く、といったぐらい危ない局面もあった。

 

それほど、「ニュース」というのは

うつ病者にとって

「一歩間違えれば」という危険をはらんでいるのだ。

 

 

だから、「うつ」の間はニュースを聞いては、見てはいけないんです。

 

せめて天気予報ぐらいにしておきなさい。

 

 

俗世との関わりを全部断つべきです。

心に悪影響をもたらすリスクがあまりに高いから。

 

 

うつの治療中は、

社会の話題についていく必要なんて全くない。

そんなことはまじでどうでもいい。

 

うつの間は、第一優先は「治療」。

つまり「精神状態の安定と向上」、それだけだ。

 

風邪をひいた時に安静にするのと同じで、

治療の間はひたすら「心を安静にする」こと。

 

病人が「健常者と同じ生活」を送らなくていいのは当たり前。

 

 

 

具体的に言うと、

・テレビ、ニュース、新聞は見なくて良い

・SNSは放置(いっそこれを機にやめた方がいいかも→SNSをしないほうが幸せになった話

・気が乗らない相手とは連絡を断つ(いっそこれを機に友達0人になったって問題ない→友達いない方が幸せだと気づいた話

・ネット上の掲示板などは見ない(悪意がはびこりやすい場なので)

・楽しい(かつ無害だと分かっている)動画だけを見よう!

 

 

こんな感じで、

心が傷付くリスクを徹底的に避け、

「心の安静」に専念しましょう。

 

 

私は上記に書いたことのすべてを実践していた。

「私は治療中なんだ!!!」と開き直っていたのだ。

 

そうしたことが、短期間でうつを克服することに繋がったと思う。

 

 

それでも最初の頃は

「いい大人が新聞も読まないなんて」

「お世話になった友達に返事もしないなんて」

などと罪悪感を持っていた。

 

そして、その「○○すべきなのに…」という思いが

重い苦しみの源になっていた。

 

 

しばらくしてもうつが全然良くならないので、

私は治療中だ!と開き直ることにしたのだ。

 

そうして、「世間から離れる」ことも許せるようになった。

そしたら、びっくりするぐらい気が軽くなった!

 

 

 

自分の心は自分で守る。

そのことに私は気づいた。

 

私が今向き合う必要があるのは、

世間の声ではなく、私自身の声だ。

 

出家こそしなくても良いが、

出家するに近い思い切りが大事なのだ。

 

だから、まずは形から入ろうと、

髪を黒く染めて、

ショートヘアにして、

服も自然とモノトーンが増えた。

 

 

 

そうするうちに、

人間とは面白いもので、

心を安静にする治療を続けていくと

不思議と自然に心が世間の方を向いていくのだ。

 

「あの子と会いたいなあ」

「外に出てみようかな」

「あれをやってみようかな」

という意欲が勝手に湧いてくる。

 

人間は元々社会的な生き物なのだなぁ、と思う。

 

あれほど苦痛だったニュース記事を自ら進んで読むようになり、

かつて大切な友人だった人たちとは交流を再開した。(でもすぐ一人が恋しくなってやめたけどね笑)

 

髪も伸ばし、ブラウンに染めた。

 

 

ただしSNSは、やらないほうが幸せだと気づいて、今でもしていない。

うつ病は本当に、色々な大切なことに気づかせてくれた。

 

 

 

世の中から離れ、

一度すべてをそぎ落として、

自分の声だけにひたすら耳を傾け、

自分ひとりをひたすらに見つめ、

そして許し続ける。

 

そうして剥き出しになった私が

たったひとつの「大切なもの」を見出す。

 

それは、世間様でもなく、

家族でも友達でもなく、

 

私が私を大切に扱うこと。

私が私に与える愛。

 

それを失ってしまっては、

人の心は病んでしまうということ。

 

 

 

 

一度は世間を離れ、手放したとしても、

もう一度つながりを取り戻すことはできる。

(取り戻せない繋がりがあったとしたら、それは縁がなかったというだけの話)

 

だから、どうか安心して出家してほしい。

 

 

そして、

自分と向き合う時間を経て

「うつ」を抜けた時、

 

もう二度とあなた自身があなたの傍を離れることはないということを、

あなたはいつか知ることになる。

 

 

世を離れましょう。

あなたは大丈夫だから。

 

このブログの運営者

生きづらさの解消方法・幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、考え方を変えることで完治させた経験あり。

典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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