大学受験期・大学時代・新社会人の時期に、抗うつ薬にお世話になってきた者です。
具体的には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を2種類。
・ルボックス(フルボキサミン)
・レクサプロ
最初はフルボキサミン錠を飲んでいたが、
途中で「こっちの方が副作用が少ない」と勧められて、レクサプロに乗り換えた。
これらの薬の効果・副作用・離脱症状についての体験談です。
結論から言うと、レクサプロが抜群に良かった。
効果が高く、副作用が少ない。
(認知療法など他の心理療法並行してやったのも良かったのかも。)
離脱症状は、「ビビンッ」という軽い電気ショックみたいなのが出ましたが、生活に支障のない微々たるもの。
SSRIは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンを増やしてくれるそう。
うつ症状はセロトニン不足から来るから、セロトニンを増やせば症状が良くなるということ。
そんなうまい話があるかいな?
もちろん、薬を飲めば一瞬で治るわけではない。
でも、症状は軽くなっていく。
悲しみしか感じられない”もうろうとした”感覚だったのを、
少し「通常」の感覚へと戻してくれる。
うつになって実家で療養をはじめてから、
ほぼ完全にメンタルが安定するようになるまで、2年弱かかった。
うつから回復できたのは、フルボキサミンとレクサプロという抗うつ薬があったからこそだ。
薬なしでは、完治までもっと長い時間がかかっていたか、最悪治らずに命を絶っていた…かもしれない。
薬様様だよ。
病気を早く治すには、薬の力が必要だと思った。
うつは決して「気の持ちよう」ではない。病気なのだ。
症状が重ければ重いほど、自力で治すには限界がある。
メンタルに影響する薬だからといって、SSRIは、人の人格を変えてしまうような薬ではない。
あくまで、病的にまで減ってしまった神経伝達物質を、通常量まで引き上げてくれるもの。
マイナスをゼロに近づけてくれるに過ぎない。
だからうつの人には、恐れず、(かといって過信しすぎず、)
医師の判断で適切な処方を受けてほしいと心から思う。
以下に、それぞれの薬についての体験談・効果についての感想をば。
ルボックス(フルボキサミン)
まとめ(☆5段階評価)
〈効果〉
・メンタルの改善 ☆☆☆
〈副作用〉
・あくび・眠気 ☆☆
・胃もたれ・胃の不快感 ☆☆(慣れると減る)
〈離脱症状〉
経験せず
フルボキサミンとの出会い:
高3の秋、大学受験のプレッシャーから睡眠障害(摂食障害)に陥って、
母と心療内科を訪れた。
そこで初めて抗うつ薬を処方された。
(当初は「眠れる薬」と言って渡されたので、抗うつ薬とは知らなかった)
それがSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一種、
「ルボックス(フルボキサミン)」50mg(25mgだったかな?)。
当時の症状は、夜中の過食。
一旦就寝してから、1〜2時間後に半ば無意識に起き出して、手あたり次第食べ物を漁って食べてしまうという症状。
夢遊病かよ!アルプスの少女かよ!と、自分で自分が不気味になり、
体重も増えて気分は最悪だった。
先述したように、よく眠れるようになる薬、ということでフルボキサミンが処方された。
ただ、当時はあまり薬の効果について理解がなく、
結局は「過食が治らないから」といって、あまり真面目に飲んでいなかったように思う。
今思えば、あれは「過食を治す薬」ではなく、
過食のせいで最悪な状態だったメンタルを多少緩和するものだったのだ。
そういう意味では、飲み続けていれば多少効いていたのかもしれない…。
その後、大学に合格してからは薬なしで過ごしたが、
在学中にうつを発症。(生理前うつ=PMDDから発症しました)
実家に送還され、半年ほど経った頃に再び薬を飲むようになった。
このとき薬を飲み始めたきっかけは、
当時強かった希死念慮に悩み、それを親に打ち明けたことだ。
医師である父は、私が飲み慣れた(家に余っていた?)フルボキサミンを処方してくれた。
朝と晩に一錠ずつ。シートに日付を書いて飲み始めた。
服薬と、親の理解を得られたことによる安堵感とが重なって、
私の意識は「うつを治すこと」へと向かい始めた。
服薬をはじめてから徐々に、
普通の「思考」をすることができるようになっていった。
活動する意欲も湧いてきて、外出も増えた。
時には調子が下り坂になることもあったが、
長い目で見ると回復していった。
翌年の春には、残りの単位を取るために大学に復帰して、概ね上機嫌で大学に通うことができた。
一方で、フルボキサミンの副作用については、
「あくび」
「胃のもたれ」
があった。
十分に睡眠をとっても、頻繁に大きなあくびが出る。
すごく眠いというほどではない。
ただ、あくびがめっちゃ出た。
それにあくびをするときに、若干喉がせり上がってくるような違和感があった。
(風邪をひいたときにお医者さんが喉をぐっと抑えるあれ。
あれで軽く「おぇっ」とされる感じ。吐き気ではない)
眠気はあまり自覚しなかったが、念のため車の運転は控えるようにした。
(それ以来ペーパードライバーである…)
胃のもたれについては、飲み始めの2週間くらいが一番強かった。
吐き気はないが、胃のあたりがもやもやしている感じ。
でも1ヶ月ほどすれば慣れて、不快感はあまりなくなった。
薬は飲み続けると血中濃度が安定してくる。ちょうど安定してきた頃に、体も慣れてくるようだ。
この間、両親は抗うつ薬について色々と調べてくれていたらしい。
私が「なんかあくびするときに喉がおぇってなる」
とか訴えていたので、ある日
「副作用の少ない薬があるみたい。こっちにしてみたらどう?」
と、レクサプロを出してくれた。
エスシタロプラム(レクサプロ)
まとめ(☆5段階評価)
〈効果〉
・メンタルの改善 ☆☆☆☆☆
〈副作用〉
・眠気 ☆☆
・胃もたれ ☆
〈離脱症状〉
・電気ショック ☆☆(ゆっくりと減らせば起こりにくい)
〈その他〉
・少量で長時間効果が持続する。
フルボキサミンを飲み始めて一年足らずで、
エスシタロプラム(レクサプロ)10mg に乗り換えた。
この効果がすごかった。
自分なりに試みた心理療法の効果とも相まって、
幸福感が日に日にどんどん上昇していった。
(他の心理療法について→うつを自力で治す方法。正しい心の休め方)
心が日に日に穏やかに、ふわふわと幸せになっていき、
しまいには歩く足取りが羽毛のように軽くなってきた。
ふわふわ、ふわふわ。
副作用として、少し眠気も生じた。
ただ、睡眠不足のときのようなつらい眠気ではない。
春の日差しに暖められて、ついうとうとしてしまうような、そんな穏やかな眠気。
うつのときに、張り詰めて疲弊し擦り切れた神経が、
ゆるゆると解けていくような感じ。
これは副作用というよりも、むしろそういう「作用」なのかもしれない。
フルボキサミンのときにあった胃もたれは、今回はほとんどなかった。
血中濃度が安定するまでの「慣らし期間」の不快感がほとんどなかったので、すごく良かった。
順調に回復していき、薬を徐々に減らしていった。
レクサプロは、少量で効果が続いた。
1日1錠が半錠(5mg)になり、2日に一回になり、3日に一回になり…
ただ、ちょっと減らすペースが早すぎたときは
「ビビンッ」という軽い電気ショックみたいなものが時々起きた。
一瞬だけ、全身が軽く痺れるような感じ。
これは、薬が体から抜けていく過程でよく起きる、離脱症状というものらしい。
まあ、ごく軽微なもので、日常生活には何の支障もない。
ただ「ビビンッ」が起きたら、薬が切れる前触れみたいなものなので、
電気ショックを感じたときは薬を減らしすぎないよう調整するようにした。
就職して数カ月は、2週間に半錠のペースで飲み続けた。
そして次第に、数カ月間飲まずにいても支障がない精神状態にまで回復した。
今では一切飲まずに幸せな生活を送っている。
去年だったか、数カ月くらい飲まずにいたときに、少しネガティブな気分に陥って、
レクサプロに再び手を出したことがあった。
しかし、飲んだら眠気と胃もたれに襲われただけで、飲んだことを後悔した。
やっぱり、飲み続けて血中濃度を安定させてこそ効果が出るもののようだ。
今では、多少のネガティブは考え方を変えて乗り越える力を身に着けたので、
もう飲んでいない。
もしまたうつになったらレクサプロ先輩にお願いしたい。
うつを断ち切った今、
今日も穏やかな気分だーと自覚するたびに、
「ちゃんとセロトニン出てるな〜」というのを実感する。
セロトニンが減ったらヤバいことは分かっているので、
朝はカーテンを開けて朝日を浴び、
夜は早く寝る、というのを徹底している。
食事も全体的に見ればバランス良く食べている、と思う。
こういう予防策も大事だけれど、
もし、いつかまたうつになってしまったら?
そんなことが無いとは言い切れない。
女の人生には色々な可能性がある。
生理前うつ、マリッジブルー、マタニティブルー、産後うつ、育児ノイローゼ、更年期障害…
あれ……?
結婚も出産もしなければ安泰じゃね…?笑
まあ、メンタルにまた何かあったときは
レクサプロ先輩、またお願いしぁっす。
頼りにしてぁーーっす。
以上です。