「自分を許す」ことでうつが治り、幸福度が上がる。

「うつ」を治し、再発しないようにするためには、自分を「許す」という過程がとても大切になります。

 

「うつ」のときは、自分についての多くのことを「許せていない」状態です。

自分がしてきたこと、自分がしてこなかったこと。

自分がいる状況。自分に足りないもの。

自分が生きていること。

自分が「うつ」であること。


こうした多くのことを許せずに、罪悪感を抱いているのです。

 

目次

「自分を許す」とは?

「あなたは何が許せていないですか?」

と急に問われても、ピンとこないかもしれません。


だからまずは、「自分の何かが許せない」という思いや罪悪感に気付くことから始める必要があります。

「ああ、私は自分の今の状態を受け入れられていないんだなあ」と。

 

そして、それに気づき次第、自分に「許し」を与えていきます。

 

しかし、「さあ、これから自分を許そう!」と決意したって、そう簡単にはできません。

なぜなら、ものごとを「許す」には、「許せない」原因を解消する必要があるからです。

 

「許す」とは、自分ルールを変えること

そもそも「許す」とはどういうことなのか。

「許」という字の付く熟語を思い浮かべると、許可・許容・免許・特許…など。

これらの意味を考えると、何となく、「普通はダメなんだけど、あなたの場合は特別なので、認めてあげましょう」と、上の立場の人から言われること、のようなイメージです。


つまり「許す」という言葉が使われるときには、「通常なら許されない」というルールが前提にあります。

いつでもどこでも誰にでも許されていることに「許す」という言葉は使いません。

「歩道を歩くことを許す」とか「呼吸することを許す」なんて使い方はあまりしません。


しかし、

「恋人の浮気を許す」「部下の遅刻を許す」

という使い方はしっくりきます。これは「普通は浮気/遅刻は許されないことだ」という前提があるからです。

つまり、何かを「許す」には、「普通は許されない」という原則を無視できるような理由が必要なわけです。

 

先ほどの例だと、「普通は浮気は許されない」けれども、よっぽど浮気した恋人を手放したくないと思っていれば、「許され」てしまうことがあります。

遅刻した部下は、人一倍仕事ができて上司からの評判が良い有能くんだったので、上司も遅刻を大目に見てしまいます。


しかし、これらの場合は、1回目は許されても、何度も何度も浮気や遅刻を繰り返せばやがて「やっぱりこいつは許さん!」と心変わりされてしまう可能性があります。


一方で、何度繰り返しても許されるようになる「許し」のパターンもあります。

それは、上司や恋人が「浮気って別に悪いことじゃない」「遅刻することは悪いことではない」というように、価値観やルールを変えたときです。

「普通は許されない」という原則をなくしてしまい、「いつでも誰でも無条件に許される」状況にしてしまえば、許されない人はいなくなります。



そして、「うつ」を根治し、再発しないようにするためには、

前者の「例外的な許し」ではなく、

後者の「いつでもどんな場合でも許される」という考え方を目指します。つまり、ルール・原則を変えてしまうのです。


 

前者は「自分は、まっとうに仕事をしていれば生きている価値がある。」といった考え方です。

これでは、仕事を失った瞬間「俺が生きていることは許されないんだ…」と思うようになってしまいます。


で、後者は「自分は何もしていなくたって、無条件に生きていることを許される」という「許し」です。

これなら、人生何が起きたって図太く幸せに過ごしていられます。


「自分ルール」を変えることは簡単ではない

しかし、この後者の「許し」を与えることは、とても難しいことです。

なぜなら、「自分ルール」つまり「自分の中の絶対的な価値観」を変えていかなければならないからです。

自分自身を形作り、これまでの行動指針となっていた考え方のすべてを。



人は皆、自分の価値観に誇りを持っています。

その誇りが支えにあるから、しゃんと立っていられます。


ずっとそれを支えに生きてきたのに、その「支柱」を簡単に捨て去ることなど、普通はできません。

しかし、その価値観と現実が乖離し始めると、人は苦しみ始めます。

生きていれば、「俺は○○な自分でいたい」という理想像と、「実際には○○でいることができない自分」との大きなギャップが生まれることだってあります。

そしてやがて、心がぽきっと折れてしまいます。

そうして、「うつ」になるのです。


だから、思い切って「自分ルール」「自分の矜持」を手放していきましょう。


 

自分を許す手順

「許す」手順という本題に入ります。

①まず、自分について「許せていないこと」を探す。

まず、自分自身について、「許せていない」「受け入れられていない」点を探す。


どこを探せばいいかと言うと、心の苦しみの源を探るのです。心の中の一番「痛い」部分です

例えば私は、「自分は生きている価値がない」という思いが苦しみの元でした。

他にも、「私は親失格だ」とか「俺には一生彼女ができないんだ…」といった思いが一番の苦しみの元になっている人もいると思います。


これらの場合、許せていない点というのは、
「うつになって何もできない自分が生きていること」
「自分が親としての責務を果たせていないこと」
「彼女ができないこと(モテないこと?)」
になります。


②許せない理由=自分ルール を探す。


①が「許せない」理由は、自分ルールや自分の価値観に反しているからです。

ではその自分ルールとは何なのか?

上の例だと、
「人は何らかの責務を果たして生きるべきだ」
「親は○○であるべきだ」
「人並みの男には彼女がいるものだ」

…といったものになるでしょうか。

③自分ルールを変える

ここで、②で見つけた自分ルールをひっくり返します。

上の例だと、
「何の責務を果たせていなくたって、人は生きていていい」
「別に親だからって○○である必要はない」
「彼女の有無は男の価値とは関係ない」

という風にです。
ここは一番難しいと思います。


私の場合は、いきなり上記のように考え方を変えるのは難しかったので、

まずは
「自分はうつの療養中だから休む必要がある」
「病気になったら、社会生活よりも病気の治療を優先するのは当然のことだ。」

という風に考え方を変えていきました。


ただ、これはまだ「条件付きの許し」です。

それでも、こんな風に自分に言い聞かせていくとだいぶ気分が軽くなりました。

「いまは病気を治している途中なんだから、罪の意識を抱かず、休んでいいんだよ。」

「何もしないこと、何もしようとしないこと。それがいま一番大事なことなんだよ。」


色んなことに「許し」を与えていくと、幸せになっていく

私は、うつを治すことだけを考えて、自分が罪悪感を抱いて来た色々なことに対しても許しを与えていきました。

「新聞はうつが良くなるまで読まなくていい。」とか、

「友人知人と連絡を取らなくて良い。」とか、

「就職のことは今は何も考えなくていい」とか。

他にも、 「朝早く起きられなくたっていい。」

「夜眠れなくったっていい。」

「たまには身体に悪そうなお菓子を食べたって良い。」

「ずぼらでも良い。」

「時間を無駄にしたって良い。」

「不完全でいい。」

という風に、いろいろなことを自分に許していきました。


もちろん、過去には「許せない」という思いを持っていたからこそ残せた結果もあります。


しかしその価値観は、もはや必要ではなくなったのです。

もはや「心」を犠牲にして、「うつ」になってまで大切にしなければならないものではありませんでした。


私は、もっと大切にしなければならないものを見つけたのです。


「うつ」とは、人のあり方のひとつの「転機」です。


人が「うつ」になるとき、その人の心はこう告げているような気がします。

「これまで大切にしてきたものを、私は十分大切にしてきた。そしてこれからはまた違った、もっと別の「大切なもの」を探しに行こう。」



私は自分に許しを与え続けました。

中にはそう簡単に許せないこともあります。

客観的に見て「あの時の自分の行動は許しても良いんだろうか?」と思うことだってあります。


だから、自分の中の罪悪感と向き合い続け、自分がしてきたことの意味、してこなかったことの意味を考え続けて、答えを出していくという作業を続けてきました。

そうして、自分のあらゆる過去と現状を許せたとき、そこには、「今の自分という存在」だけが残りました。

心を重くするものが何一つない、安らかな幸福


私はずっと私自身に許してもらいたかったのだと気付きました。


私は今でも自分に「許し」を与え続けています。

「今日の晩御飯はイマイチぼやけた味だったけどまあ良いや」といった些細なこともです。

何もできなかった休日は、「何もしない日があったって良いよ。」と自分を許したりもします。


そして、最近気付いたのです。


自分を許したからといって、自分がそれほど変わるわけではない
。つまり、自分が突然怠け者になるわけでも、ダメ人間になるわけでもない。


―100点を目指していた頃の私だって、100点になることはできなかった。

ただ、100点ではない自分を「許せることで安らかな気持ちになる」か、「許せずに苦しむ」か、大きな違いはそれだけでした。


自分を許すのは、幸せに生きるため


何のために「許す」のか。

なぜ自分を「許す」必要があるのか。


それは、 「うつ」を治し、そして二度とその苦しみを味わわないようにするためです。

そして―幸せになるためです。


「うつ」を治していくこととは、幸せになっていくことです。


しかし、特に「うつ」の人は、幸せになることに抵抗を抱く傾向にあります。

幸せを犠牲にしてでも何かを追求することが美徳だ、とかつての私のように考えてしまうかもしれません。

だから、一度自分の何かを「許し」てみて、それがどれほど心に安らぎを与えるかを体感してほしいのです。


理想とは、幸福とは、あなたの思い描くピラミッドの頂点にのみあるのではありません。

うつになったということは、あなたはそのピラミッドを登ろうと限界までやって来たということです。


しかし、今までピラミッドに見えていたものは、実は多面体で、向きを変えればどの点でも頂点になり得るのです。

その中に、苦しみ抜いた者だけが辿り着ける点(世界)があります。

ただ生きることに、これほどの喜びがあったのかと気付く瞬間があります。



ともに辿り着きましょう。


あなたはいつでも、許されているのだから。

 

――――――

自分を許し続けると、自分への愛に行き着く→自分を愛することに目覚めて幸福度がカンストし、うつが治った話。

 

このブログの運営者

生きづらさの解消方法・幸せに生きる考え方・うつ病の治し方をお伝えしています。
過去にうつ病になり、考え方を変えることで完治させた経験あり。

典型的なINFP人間。
モットーは「自分の幸せを第一に生きる」。
現在会社員をやりながらADHDの夫と暮らしています。

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