私は純然たるミニマリストではないが、
若干ミニマリズムを意識している。
えせミニマリスト的な生活を送るには、
以下の2点を守っていればよい。
・必要ないものを捨てる
・物を買う時は厳選して
必要ないものを捨てるとき
断捨離するときに
「いらなくなったものはメルカリで売る」派がいるが、
私は迷わずゴミ袋に入れて捨てる派だ。
愛着があったものを捨てるときは「今までありがとう」と言ってチューして捨てる。
そこに悲しみや未練はなく、
ただ「これでまた前に進むことができる」という
ほの明るい満足感がある。
服を捨てるときは、最後に写真を撮って捨てることもある。
いらない服は最後に雑巾にして捨てるという発想はない。
なぜなら、
私は物を買うときは「愛せるもの」を選ぶからだ。
特に服やバッグ、家電、家具など、
体や目に触れることが多いものを買うときは
「私はこの子を愛せるか？」
と自問する。
だから、どんなに小さなものであっても、
今までの人生とともにあり、生涯をかけて愛したものになる。
それを捨てるときというのは、
私の中で何かが変わったということであり、
人生が前に進むときなのである。
私は過去の自分とともにあった物を「成仏」させたいのだ。
メルカリに売ってしまうと、私の過去はこの世に留まり続け、成仏できない。
それはまるで元彼の連絡先を削除せずにおくような「未練たらしい」行為のように思えてしまう。
（雑巾にして捨てるのはある意味で「成仏」の一種かもしれない）
「私はこの子を愛しぬいた」
「そしてもう必要ない」
と思えると、捨てるときに迷いはない。
物に思いは届かないけど、
人生に寄り添ってくれたせめてもの感謝の印に
私は誰にも見られない場所でそれにキスをする。
何を言われても、私はそんなふうにしてからゴミ袋に放り込んでいく。
おかげで、私の部屋には物が少ない。
買うときも厳選するし、捨てるときは潔く捨てるからだ。
そうするとどうなるか。
「私」という純度が高まっていく。
雑念が消え、
「私を構成しているものたち」がはっきりと見える。
でも、「物は少ないのが良いですよ！！」と主張したいわけではない。
人によって所持品の適量は違う。
物が多い方が楽しいならそのほうが良いのだ。
だから私は、
人に物を捨てろとは勧めない。
ただ捨てるときは私はそうやってますよというだけの話。
愛したからこそなのだと、
それが美しい生き方だと思うだけのこと。
その時が来たら全身全霊でお別れする。
物も。
人も。
何かを手に入れる時にそういう覚悟を持っていれば、
生半可な人生を送ることは無いのではないかと私は思う。
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